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お盆とオキシトシン

お盆とオキシトシン

8月も半ばを過ぎれば、お寺ではお盆も終わって、少しホッとしている時期です。

今日8月24日は地蔵盆で万灯祭りが行われ、この地域でも各家に灯籠が飾られ夏も後半という景色です。お盆とは盂蘭盆のことで語源はウラバンナ(逆さ吊り)から来ていて、逆さ吊りされている様な苦しみの事らしいです。

どういうことかと言うと、お話によるとお釈迦様の弟子に目連さんと言う高僧がいました。

目連さんには既に亡くなっていた大変優しいお母さんがいました。

目連さんにとって優しかったあのお母さんは、「今頃は素晴らしい世界にいらっしゃるだろうな」っと思い神通力を使ってお母さんのいる世界を視てみると、なんと三悪趣(地獄、餓鬼、畜生)のような世界で飢えて苦しんでいたそうです。

「これは、いったい何故、どう言う事なのか」と師のお釈迦様に尋ね聞いてみると、

「あなたのお母さんは、あなたには美味しい食べ物等を与えて優しかったけど、他の人やヨソの子供には食べさせてあげたいと言う気持ちが無かった。だから、あなたにとっては優しいお母さんだったけど、他の人にとってはあまり良い人では無かった。」っと言う事らしいのです。

でも、みんなそうですよね。どこのお母さんだって我々だって、愛すべき家族や仲間が一番大切ですよ。

でもお釈迦様に言わせるとそれじゃダメらしいのです。それじゃ本当の幸せには成れ無いらしいのです。

ところで最近、よく聞く言葉に、オキシトシンと言うのがあります。脳内ホルモンだそうで、母親ホルモンとか幸せホルモンなどとも言われ、コレがストレスの無い穏やかな生活を送れる重要な作用をしているそうです。このオキシトシンはひとりぼっちや孤独では出ないそうです。また好きな人やペット等が一緒にいた時も同じ様に分泌されるそうです。

そして、このオキシトシンは無理矢理に注入してやると穏やかで幸せな良い人間になるそうです。(現代では人間なんて化学物質でちょろいものなんですね)

でも待てよ?、お釈迦様はこう言う母親ホルモンみたいなものは、目連さんの例え話しを出して良くないと言っているよ…。どう言う事か?

またまた話しは変わりますが、最近国連が2020年度の「世界の幸福度報告」を発表しました。

相変わらず北欧あたりの国々が上位を占めていました。日本も一応先進国ですからアジアの中では幸せな方の国だろうな…っと思ったらアジアの中でも全然上位じゃない!

まあ、このランキングの判断基準が何かと言うと、いろいろ書いてありましたが、

日本がランキングが低いのは寛容さとか慈善的な寄付とかが極端に低いことらしいです。

どうもこういうのが幸福度を計るインジゲーターらしいのです。

さて、お盆のお話しに戻りますが、お釈迦様は目連さんにどういう解決策を教えたのでしょうか?

その答えは、「あなたのお母さんがしてきた事と反対のことをしなさい。」です。

それは一言で言うと『施し』です。

お釈迦様は「毎年修行僧たちは7月15日(8月15日も同じ)頃に乞食行脚から寺に戻って来て、経を読んだり瞑想して休養しているから、その方々に食べ物やいろいろ施しなさい」っと教えたのです。

言われた通りにすると、目連さんのお母さんは忽ち密厳極楽浄土に移り幸せになったと言うお話しです。

このお話でお釈迦様は来世にいるお母さんを救う方法と同時に、現世にいる自分の弟子たちに対して慈悲というものを教えていますね。

オキシトシンだけでは本当の幸せではないのですね。(もちろん、敵や嫌いな人がいてもいなくても関係なくオキシトシンが出てくれればいいですね)

まとめてみると、お盆の期間中だけでなく、お釈迦様のいう本当の意味でのお盆行をしていれば、幸福度のランキングも上がるかも…ですね。

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